ぶどう
ぶどうは特別。
そもそも、ぶどうって今でこそいろんな品種が出回っているけれど
私が小さい頃は、巨峰、マスカット、デラウェアの3種類しか
食卓に上がることがなかった気がする。
私の家庭は今でこそそんなに仲がよくないが、
昔は仲が良く秋になると近くのおばあちゃんの家にぶどうを摘みにいったりしていた。
ハチにさされないよう帽子をかぶり、1房1房カゴに入れながら
美味しそうなのを見つけてはこっそりつまみ食いをしていた。
私の中でそのほんの束の間の家族として穏やかに幸せだった時期の象徴として
もしかして葡萄があるのかもしれない。
また、同時期に きつねとぶどう という童話を繰り返し繰り返し寝る前に読んでいて
ぶどうは親子をつなぐ果実と確信したのだと思う。
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ふるさと納税で届いたピオーネとシャインマスカット。
むっとりとした今でも弾けそうなパンパンな1粒が連なった1房。
月日が経ち、私は大人になったんだなと思う。
今はシャインマスカットが一番のお気に入りだけど、
もし、1つだけ選ぶのだったら巨峰を選ぶと思う。
おばあちゃんちで採っていたぶどうは巨峰だったから。
そう美味しいには、幸せな思い出というスパイスがある。